今日も今日とて終電で帰宅。
疲れた…、疲れました…、身も心も…。
夢にまで見た研究職ライフ。
残業なんて言葉は知りません、いつも明るく楽しい研究職ライフ。
夢は夢でした。
そんな現実に押しつぶされながら、愛すべきマイ・ホームタウン駅で下車した瞬間、
「ポン太君、こんばんわっス。」と野太い声。
「ん?」と声の主へ顔を向けると、黒いスーツに、先のとんがった今どきふーの黒いピカピカの革靴で、白いシャツの第2ボタンまでを外し、盛り上がる大胸筋の谷間を「これでもか!」と見せ付けた、ワルそうなのが、酔っぱらってトロンとした目で、こっちを見てました。



終わりました。
こんな下手な書き出しの文章も、あったものではありませんが、今の気持ちはそんな感じなのです。
終わったな、と。
毎年、こんな気持ちになります。
お車がギシギシ動いて、囃子が聞こえて、若衆が喧嘩して…。
あれは確かに現実なのですが、今年は月曜日が雨のため、お車の解体は行われず、今も鞘の中にはお車は存在しているはずなのですが、通常であれば、もうその形もないんです。
この虚しさっちゅーか、儚さっちゅーか…。
ホントは土曜日も日曜日も息子をお車の上に乗せてあげたかったんだけど、土曜日は役員としての仕事があり、それも叶わず。
なんとか日曜日に乗せてあげることが出来、父親としての責務を果たした心持がしました。



御定目録送りの儀
地元の祭礼行事の一つです。
2日間のお祭りのメインスポンサー(「山本(やまもと)」と呼びます。)へ目録を持っていく行事です。
ちょうちんを付け伊勢音頭を歌いながら役員全員でワカヤから山本まで町内を練り歩きます。
山本へ着くと「贅沢なお祭りはしないこと、争いはしないこと、飲みすぎないこと等が記された目録を納め、囃子を上げます。
囃子方にとっては、この時の囃子奏上が最も重要な見せ場(聞かせ場?)となります。
祭り囃子なんてのは大抵、酔っぱらってる時に聞こえてくるものですが、この時だけは役員全員がシラフで聞いているからです。
囃子が一通り奏上されると、次は、山本を受けて頂いた事に対して、中老行事(厄歳の同級生)からお礼の意味で鏡割り、宴会へと続きます。


